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「手、退けろ」
ボトムを脱ぎすてたリカちゃんが下着も脱ごうとして、それを止める。自分でもわかるぐらい固くて冷たい声が出たけれど、そんなこと気にしてる場合じゃない。
足元に膝まづき、邪魔な服を押しやる。リカちゃんの顔を下から見上げれば、ぞっとするほど冷たい目と視線があって嬉しくなった。
だって、この目は普段は俺じゃないやつに向ける目だから。そして、相手が俺だとわかれば、リカちゃんは冷たい色を穏やかなそれに変える。
俺以外には冷たくて、俺にだけは甘くなる。その特別感が嬉しくて、きっとこれは『優越感』なんだと思った。
「リカちゃんが俺の目や鼻になったら、俺はリカちゃんが見えなくなる。リカちゃんが俺の指になったら、俺は自分の指とキスしなきゃ駄目になる」
「慧君?」
「それにリカちゃんが同じ大学にいたら、俺は自分の勉強どころじゃなくなる。気になって仕方がなくて、多分ずっと苛々してなきゃいけない」
下着のウエストのゴムをずらし、中からまだ萎えたままのそれを引きずり出す。もっと見せつけるような仕草がいいのかもしれないけど、残念ながら俺にそんなテクニックはない。
あるのは汚い独占欲と、それより汚い自分中心の考えだ。
リカちゃんは俺だけ見ていればいい。仕事の時も俺のことを考えて、仕事以外でも俺のことを考えていればいい。
来世とか生まれ変わったらとか、そんなこと本当にどうでもいい。次の俺が男か女かもわからないのに、そんなことまで考えだすリカちゃんに苛々する。
ほんの数分前までは寂しかったはずが、今じゃもう苛々が勝っていた。
まだ下を向いたままのリカちゃんの半身に触れ、両手で支える。先端から根元にかけて舌全体でなぞれば、ぴくんと微かに動いた。
自分から進んでしたことは……あまりない。促されてすることはあるけれど、こうして先手をとったことはないはず。
リカちゃんの足の付け根に唇を寄せ、強く吸いつけば赤い痕がつく。俺の首元から鎖骨にかけて大量につけられたものと同じ、赤い小さな痕が。
白い肌に映えるそれを舌先で馴染ませ、黙ったまま見下ろすリカちゃんを見つめて言った。
「次とかどうでもいい。次の俺がどうなろうと今の俺には関係ないし、そんなことよりリカちゃんが俺以外のことを考えてるのが腹立つ」
「……どっちも慧君のことなんだけどな」
「今じゃなかったら意味がないだろ。もし生まれ変わったら、その時の俺が頑張ればいいだけなんだよ。だからお前は、今の俺のことだけ考えてろ!このバカ!」
他に気をとられるなら見えなくすればいい。他のことなんて考えられなくなればいい。
今の俺だけを見て、今の俺のことだけを考えればいい。
次の俺にリカちゃんは絶対にあげない。その気持ちを伝えるべく、目を閉じてそれを咥内に招き入れる。
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