アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
238 (R18)
-
前も後ろも曝け出して、より深くより奥へと穿つ。嫌だ嫌だとしゃくりを上げても、容赦なく腰を落とした。すると、すっかり緩んだはずの蕾が再度締め付けを取り戻し、これが最後だとばかりに激しく痙攣した。
同調する下肢。小刻みに震える腿と、固く丸まってしまう足先。
虚ろだったはずの目に光が戻れば、なけなしの力を振り絞った慧が俺の背中に爪を立てる。零れ落ちる涙もそのままに、悲しいぐらいに可憐な悲鳴を上げる。
「いやっだ、やだ、やっ……ひ、いっ…………ああっ、あああ──っ」
思い切り果てた。瞼も口も閉じ、全てを投げ出して意識を閉ざしてしまう。
「慧?……ここまですれば、意識を失って当然か」
白く華奢な身体には数多の鬱血痕が浮かび、それは首や胸元だけに限らず、腹から足にかけても数え切れない。
繋がっていた箇所から自身のそれを抜くと、驚くほどの白濁が流れ落ちてくる。
「ああ……やっちゃった」
わかっていたのに。一度でも箍を外してしまうと、こうなるってわかっていたのに。
熱の冷めた頭が冷静さを取り戻し、どう言い訳すべきか考える。怖がらせたのではないか、嫌になってしまったのではないか。不安が不安を呼んで、思わず握りしめたのは意識を飛ばした君の手で。
「ごめんね、慧君。ごめん」
返事もなければ聞こえもしない、そんな無意味な謝罪を口にすれば、手の内にあった指がゆっくりと動いた。たどたどしく握り返してくれる無意識の行動に、どれだけ救われたかなんて、きっと君にはわからない。
わからないでいいから傍にいて。知らないままでいいから隣で笑っていて。
どうしようもなく好きだと、愛しているのだということだけ……それだけを感じていてくれればいい。
「慧」
本当は隣に寝転んで眠ってしまいたいけど、この散々な状況を片さなきゃいけない。
まず初めに清潔なシーツに取り替えよう。それから汚れた身体を清めて、服も着せてあげたい。
そして眠るまでの間ずっと頭を撫でて、悪い夢から守ってあげなきゃ。
自分で蒔いた種とは言え、なかなかに骨が折れそうな作業に失笑しつつ、静かに身体を起こす。
「起きたら良くて激怒か拗ねるか、最悪は存在無視かもなぁ……」
全ての後処理を終えた俺は、ひたすら謝ってご機嫌をとろうとする翌日の自分を予想し、それも悪くないかと眠りにつく。
そして、まともに起き上がれなかった慧君が、顔を真っ赤にして言った第一声は「おはよう」ではなかった。
「おいこの下半身バカ、そこに正座しろ!今すぐ、今すぐにだ!!」
やはり予想通りの激怒だった。声か吐息かわからない音で文句を連ね、大きな目を釣り上げる。
「お前は今すぐ常識を身につけろ!どこに人が失神するまで無茶するバカがいるんだ?!」
「嫌だな慧君、その常識を崩すほど魅力的な慧君が悪い」
タオルケットの中から出てこようとしない慧に手を伸ばせば、勢いよく振り払われる。覗かせた顔は威嚇で眼光鋭く、そのくせ唇が腫れて艶やか。
思わずかぶりつきたくなる衝動を抑えるのに、苦労させられる。
「それから、このキスマークの数はなんだよ!」
「それを言うなら俺の背中も爪痕すごいよ」
「リカちゃんのは自業自得だろうが!!」
「だから痛み分けってことで、仲直りしよう。な?」
聞く耳をもたない慧に諦めて寝室から出た。きっと、そのうち腹を空かせてリビングに来れば、自然と機嫌は直るだろう。
テーブルの上に乗った盛りだくさんのフルーツ。
慧の好きなパン屋のクロワッサン。
最近気に入っているアイスティーには、少し多めにシロップを入れてある。
数分後、思ったより早く籠城を解いた慧は、明らかに目を輝かせた。意地で上手いとも何とも言ってくれなかったけれど、いつもより多めに平らげたのが仲直り完了の証拠だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1055 / 1234