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「……ぃ、起きろ。起きろってば」
「んん…あと、5分…」
なんだかあったかい。
暖かくて、いい匂い…俺の使ってるシャンプーでも洗剤の匂いでも無くて…なんだろう。
何かわからないけどすごく、落ち着く。
「別に5分でも10分でも寝てくれていいけどよ…トイレ行きたいから離してくんねぇ?」
離す?離すって何を?
あ、枕か…なんか今日の枕いつもと違って硬い…。
けど悪くない感触。
「あ、こらスリスリすんな。
……ったく、寝起き最悪だなバカウサギ」
その言葉で俺は覚醒した。
ガバッと起き上がる俺が見たもの。
それは右手をダランと伸ばし、俺を見上げるリカちゃんの姿だ。
「え、な、なんで?!」
「なんでって…お前眠れるワケねぇとか言っときながら即寝したじゃねぇかよ。
寝たと思ったら蹴るは殴るは寝相悪いし。寒いつって自分からすり寄って来た上、しかもちゃっかり腕枕させやがるし…あー、痛ぇ…」
「う…嘘、だ!」
「俺が嘘言ってまで腕枕すると思う?しかも一晩中ずっと」
痺れた右腕をプラプラ振って、顔を顰める。
いや、嘘だろ?
でも…やけにスッキリした頭が物語ってるんだ。これは現実だと。
あんだけ嫌だと言って、あんだけ寝にくいと言ったくせに、どうやら俺は朝までスヤスヤと爆睡したらしい。
しかも最悪な事にリカちゃんの腕の中で。
「朝まで腕枕したのとか初めてだわ。お前、男のくせに柔らかいし、いい匂いさせんてんだもん。しかもアレな。寝顔ちょー可愛い」
「てっ……テメェ!」
「寝ながら寒いつって俺の肩に鼻擦り付けてさぁ…マジ子猫かと思った」
寝転んだまま俺を見上げて笑うリカちゃん。
…………やべぇ。恥ずかしすぎて何も言えない。
赤い顔を腕で隠す俺の頭を、起き上がったリカちゃんが撫でる。
その手つきは子供をあやすように優しい。
「まだ八時かよ。腹減ったから何か作るか。ウサギ、朝は和か洋どっち派?」
「朝は食わない 」
「バカ。お前ただでさえ細ぇんだから食え。俺の気分が洋だから今日は洋風な」
自分で決めんなら聞くなよ。
朝っぱらから俺様モード全開で寝室を出て行くリカちゃんを睨みつける。
そして10分後。
飯が出来たと呼びに来たリカちゃんに付いてリビングへ向かった。
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