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「…すげぇ」
テーブルに並べられたのはホットケーキの上にフルーツが乗ったヤツにサラダとコーンスープ。
女が好きそうなメニューだが、実のところ俺はめちゃくちゃ甘党だ。
ビールのつまみはチョコに決めている。
「ほら座れよ」
顎で示された席には青ラインのマグカップに同デザインのスプーン、フォーク。
向かいのリカちゃんの席は俺と色違いの黒。
…………新婚カップルか。
朝からクソ寒くなった俺は、リカちゃんが引くほどの勢いでコーンスープを平らげたのだった。
*
朝飯を食った後、片付けを終えたリカちゃんは自分の家に帰って行った。
どうやら引越しの荷解きが終わってないらしい。
昼飯はまた連絡するって言ってたけど、正直さっき食べた朝飯のボリュームがすご過ぎて入りそうにない。
する事も無いけど二度寝する気分にもならなかった俺は、適当に着替えて家を出た。
目的もなくブラブラ歩いて、目にとまった本屋に入ってみる。
雑誌を立ち読みしながら、そろそろ髪染めるかなーなんて考えていた時だった。
ポケットに突っ込んでいたスマホが震える。
『獅子原 理佳 : どこ?』
どこって何だ、どこって。
なんとなく素直に返すのも癪で『家』と返す。
すると即レスで『今お前ん家にいるけど。次嘘ついたらお仕置き』と返ってきた。
出た、お仕置き。コイツどんだけお仕置きって言葉好きなんだよ。
リカちゃんが言うと変態くさいし、その上似合ってるから嫌だ。
けれどアイツに誤魔化しや嘘は通用しないのを知ってる俺は今度は素直に『本屋』と白状した。
また何か返って来るかと思いきや、次は電話がかかってきた。
『本屋って駅前の?』
「そう」
『そっち行くから店の中で待ってろ』
「いや、無理」
『無理が無理。いなかったら夜覚えてろよ』
言うだけ言ってリカちゃんはブチッと電話を切る。
夜覚えてろって…マジでキモい。
キモくて引いてるのに、何されるかが恐ろしくて、おとなしく従う俺も俺だ。
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