アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
31
-
人間の慣れってのは怖い。
2日目にして俺はすでにリカちゃんと同じベッドで寝ることに抵抗が無くなっている。
だってコイツやたら温かいし、やたらいい匂いすんだもん。
これでリカちゃんが、その名前の如く女の子だったなら文句は無いのに。
しかし残念ながら何度見ようと、男である事実は変わらない。
「ウサギ、いつも何時起きしてんの?」
「7時。8時に出れば間に合うから」
うちの高校は8時半始業だ。
ここから20分もあれば着くから俺はいつも8時に流れる某情報番組の「行ってらっしゃい!」を聞いてから出る。
「いいな学生。って事は俺は7時半出か」
「どうせ車で5分ぐらいだろ」
「まぁな。車通勤って電車と比べて時間に融通利くし、こういう時すげぇ便利。そうだ、お前遅くなるなら連絡しろよ」
「それ昨日も言ってたけど。晩飯いらねぇ時は連絡すりゃいいんだろ?」
連絡先を交換した時に再三注意されたのに、また同じ事を言うか。
リカちゃんってば若く見えて相当ボケてんのかもしれない。
俺がそう思いながらも返事をすれば、当の本人は白けた目で俺を見る。
「バーカ。夜道は危ないんだから乗っけてやるつってんだよ」
「お前言う相手間違ってねぇ?それ男子高校生に言うセリフじゃねぇよ」
「本気でクソ可愛くねぇな…こういう時は礼でも言って甘えときゃいいんだよ」
そう言うとリカちゃんは、その大きな手でワシャワシャと俺の頭を撫でた。
「うわっ…テメ、やめろや!」
「ははっウサギの髪はサラサラで気持ちいいよなー。
ずっと触っててやりたいぐらい」
そんなのこっちから願い下げだ!
そう言ってやりたいのに、本当に気持ちよさそうに俺の頭を撫でるから…なんだか言いづらい。
頭を撫でて、髪を指に絡ませ梳いていく。
目を細めうっとり見つめてくるリカちゃんに俺の方が緊張してしまいそうだ。
毛先を指に巻きつけて遊ぶ。同じベッドで向かい合って寝転びながら何してんだ。
まるで恋人同士のようだけれど俺とコイツはただの生徒と教師で同性で……。
もう何が何だかわからなくなる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 1234