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チャイムが鳴り、しばらくすると教室の扉が開く。
現れたリカちゃんは今朝と同じスーツ姿…は当たり前なんだけど髪型が違う。
見慣れたフワフワ無造作ヘアじゃなく、軽く流した感じのオシャレぶった髪型。
そういや前に教室で見た時もこんな感じだったか。
人の事をからかって遊ぶ意地悪なリカちゃんじゃなく、出来る男風のリカちゃんに…なぜだかイラッときた。
「はい、おはよー……って珍しく起きてるヤツいる」
リカちゃんが俺を見てニヤッと笑う。
それはこの土日で何度も見た意地悪リカちゃんだ。
「なに?1月も半ばになってやっと改心した?」
「…………うっせぇ」
なんだか変な感じがした。
まだ2日間とはいえ、一緒に飯食って一緒に寝てるヤツと同じ教室にいる。
しかも担任と生徒…。
俺だけが知ってるリカちゃんがいて、リカちゃんだけが知ってる俺がいる…ってこの言い方キモいわ。
「じゃあ今日の日直は改心した兎丸って事で。3時間目始まる前に俺のとこ来るように」
「はぁ?!なんでだよ!!」
「日頃の行いの悪さ故だな。でもって1時間目はマラソン大会の練習で2時間目は説明会だから着替えてグラウンドなー」
抗議虚しくリカちゃんは言うだけ言って教室を出て行ってしまった。
そうだ、いくら見た目をちゃんとしてても中身はあの性悪ドS野郎だって忘れちゃダメだったんだ。
「慧ドンマイ。真面目になった途端ツイてねぇな!」
「あいつマジでうぜぇ…練習も英語もサボってやる」
「やめといた方が良くね?リカちゃん怒らせるとマジやべぇって噂だし」
「知るかよそんな噂」
俺には関係ない!日直とかいうアホな話も、あのバカ教師が勝手に言った事だ。
そうと決まれば善は急げと俺は拓海の制止を振り切って教室を出た。
目指すは屋上!!
誰も俺を止めはできない。
……はずだったのに。
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