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ハァハァと肩で息をする俺を見下ろすその目は濡れたように色気を纏う。
俺がこんなにフラフラになってんのに、リカちゃんは息一つ乱さず余裕綽々に笑った。
「お前こういう時は可愛いのな」
「バ、カ…言うな…!」
「…はっ。んな真っ赤な顔して睨むなよ。
もしかして煽ってんの?」
可愛くなんてない。
それなのにリカちゃんはその体勢のまま俺の髪を掴み上げる。
細めた目の奥に俺の顔が映る。
「盛ってんなよバカウサギ」
最後にチュッと髪にまでキスを落としたリカちゃんは、何事も無かったかのように去って行く。
その背中から目が離せなかった。
俺の知らないリカちゃんがいる。
「獅子原…理佳……」
呟いた俺の小さな声は、静寂に紛れ零れ落ちた。
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