アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
42
-
「お前…なんかあった?」
リカちゃんが走っていたのをやめ、俺の手を掴む。
「……別に、なんもねぇし……」
真っ直ぐにリカちゃんを見ることが出来ない。
こんな気持ち知られたくない。
それなのにリカちゃんは見逃してくれない。
「ちょっとこっち来い」
そう言ってリカちゃんは河川敷を降りていく。
橋の下…誰もいない影に連れてこられ、俺をジッと見つめる。
「何があった?」
「だから何もねぇって言ってんだろ」
「なら何でこっち見ないんだよ」
見ないんじゃなくて見れない。
見たらバレてしまう。その黒い瞳はきっと気づいてしまう。
俺が、悶々と抱いてる嫉妬心に。
たった二日でリカちゃんを好きになっていることに。
「見ないなら俺しか見えなくしてやろうか?」
そう言うな否や、バンッと壁に押さえつけられる。
グッと顎を持ち上げられ、息がかかるほどに詰め寄る。
鼻の先にはリカちゃんの整った顔。
雄々しくて……それでいてそれぞれのパーツは計算されたかのように繊細で綺麗だ。
「…………そんな目で俺を見るなよ」
「何、言って……、」
「俺を煽るなんてウサギのくせに生意気」
かぶりつくように強く唇を押し付けられる。
性急に入ってきた舌は、ほんの一時間前に感じた衝動を湧き起こすには充分だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 1234