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駐車場に停めてある数台の車。
その中でも1番綺麗な黒い車の後ろでしゃがんで待つ。
まだかまだか…と待つこと数分。
向こうの方から歩いてる人が見えた。
フワフワと揺れる黒髪に長身の人影はリカちゃんだ。
くわえ煙草がやたら似合って、スーツの上に着たコートも、首元に巻くマフラーも全部カッコいい…。
くぁっと欠伸をしたリカちゃんが、ポリポリと鼻をかいた。
寝不足でちょっと油断してるリカちゃんが可愛い。
もうここまでいけば溺愛ってやつかもしれない。
思わず飛び出しそうになったのを瞬時にやめる。
リカちゃんの後ろには…鷹野がいた。
「お前さ、どこまでついてくる気?」
この声はリカちゃんだ。
ちょっと鬱陶しそうだけど、一応まだ先生モードの声で話しかけている。
「先生の車、興味あるんですよ」
「普通の国産車。色は黒。はい、答えたから帰って」
「嫌だなぁ…乗せてくれって意味なんですけど」
俺に嫌味を言う時とは全然違う鷹野の声。
甘えるような、猫撫で声がウザくて腹立つ。
リカちゃんが鷹野乗せたらどうしよう…後部座席でも嫌かも…。
「無理」
考える隙もなくリカちゃんがキッパリ断った。
無意識にガッツポーズをしてしまい、俺は少し照れた。
「えぇー……なんでですか?」
けれど鷹野は諦めずに粘るから、またムッとしてしまう。本当しつこすぎる…!!!
「鷹野乗せると嫌がるヤツがいるから」
サラッと爆弾発言をしたリカちゃんに、俺は呼吸をするのも忘れて固まってしまう。
「ウチの子ヤキモチ妬きだから悪いね」
あー…やっばい。
リカちゃん、すっげぇ好き…………かも。
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