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リカちゃんの流暢な声が聞こえる。
誰だか知らないが偉い人の名言ってヤツを英語で話そう的な授業。
まずその名言を知らないんだから英語もクソもねぇよ。
そんな話よりも気になって仕方ないのは、甘さの混じる落ち着いた声とそれを紡ぐ唇。
スラスラと言葉を紡ぐ薄い唇に俺イかされたんだよなぁ…。場違いな気持ちに視線は嫌でもそこに釘付けだ。
終了のチャイムが鳴ってハッとした。
俺…授業時間のほとんどリカちゃん見つめてた…。
うわ、恥ずかしすぎるだろ。
「…で、今日の授業はここまで…なんだけど兎丸」
「…あ?」
「ずっと惚けてたけどちゃんと俺の話聞いてた?」
見た目は先生モードのくせに中身はしっかりリカちゃんだ。
俺を名指ししたリカちゃんは偉そうに俺を見下し笑った。
「ほら。返事は?」
「聞いて……ねぇ…です」
「……へぇ。ちょっと…来てもらおうか」
キスしようがセックスしようが
やっぱりリカちゃんは…意地悪だ。
*
「お前ねぇ…」
呆れたように俺を見たリカちゃんは仰け反って椅子に座る。
他にも英語の先生はいるのに、職員室から遠いこの部屋を使っているのはリカちゃんだけらしい。
堂々とタバコに手を伸ばしたリカちゃんは、ポケットに手を入れた数秒後チッと舌打ちした。
「はぁ。オイル家に忘れてたんだった。
あー…喫煙所まで行くのダルいんだよなぁ…」
「ん。使えよ」
「サンキュ…って何でライターなんか持ってんだよ」
渡したライターを受け取りながらもジッと俺を見る。
「それ歩のやつ」
ってこれもマズい。
歩だって俺と同じ高校生なんだから先生にチクるのは絶対にダメだ。
なのにリカちゃんは興味ないように「あぁ。」と納得した。
「俺のビールはダメで歩のタバコはいいのかよ」
「別に。アイツが喫煙者でも嫌煙者でもどっちでもいいし。っつーかあんだけタバコの匂いさせてたら誰でも気づくだろ」
確かに歩はヘビースモーカーだ。多分リカちゃん以上に吸ってるとは思う。
「理不尽だ」
「ウサギのくせに難しい言葉知ってるじゃん」
「てめぇ…バカにすんじゃねぇ」
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