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「なぁ…なんで灰皿?もしかして歩に?」
「違ぇよ。気分だよ、気分!!」
「気分で灰皿なんか買うか?タバコデビューするつもりなら俺は反対だからな!慧までヤニ臭くなんの嫌だ」
ヤニ臭い…確かに歩はいつでもタバコの匂いがする。
あれ?でも、リカちゃんはそうでもない…かも。
「なぁ。リカちゃんってタバコの匂いする?」
「んー?リカちゃん先生は基本香水の匂いじゃねぇ?たまにタバコの匂いもあるけど大体は甘い匂いしてる。あれいい匂いだよなぁ。俺も同じの付けよっかな…」
「ダメ」
「は?!なんで?」
「ダメなもんはダメ」
拓海がリカちゃんと同じ匂いしたら、なんか嫌だ。
拓海だけじゃない。リカちゃんと他人が同じ物を持ってるのが嫌なんだ。
自分の心の狭さに呆れつつ、俺はそっと荷物を持ち直した。
「なぁ慧。ちょっとゲーセン寄って行こうぜ!」
夕飯を食べた後、拓海に誘われるようにゲーセンに行けばそこで会いたくなかったヤツに会ってしまう。
「あ、兎丸君と鳥飼だ」
「おう鷹野!」
……最悪。
俺のことを大嫌いで、リカちゃんのことを好きらしい鷹野に休みの日に会うなんて最悪すぎる。
「ふぅん。兎丸君もさすがに休みの日は獅子原先生追っかけてないんだ?」
「なんだよその言い方」
バカにしたような言葉にムッとしてしまった。
百歩譲ってコイツがリカちゃんを好きなのは許そう。
だからって何で俺がこんなに嫌味言われなきゃなんねぇんだよ。
「あんだけ見つめて構ってオーラ出してるから休日はストーカーでもしてるのかと思ってた」
「てめぇ……っ!」
「そりゃそうだよね。先生は生徒なんて相手にしないし。思うだけ無駄って事だよ」
そういやコイツ、前にリカちゃんに玉砕してたんだっけ。
だから俺に八つ当たりしてくるんだろう。
「期待しない方がいいんじゃない。じゃないと辛いのは兎丸君だからね」
「うっせぇよ。お前に関係ねぇだろ」
こんな時に拓海は何してんだよ! あたりを見回すけれど見つからない。
「じゃあ俺は行くから。また学校でね」
「二度と会いたくないっつーの」
何が可笑しいのかクスクス笑いながら去っていく鷹野。
最初から最後まで人をイライラさせて嫌なヤツだ。
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