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リカちゃんに連れられブランド品が売ってある店に来た。
なんでこんな店に?と思ったら、リカちゃんはあるブランドのショーウィンドウに向かっていく。
戻って来たその手にはガラスの瓶が握られていた。
琥珀色の液体が入った瓶。
香水なんてもっと派手かと思ってたのに、それはシンプルなデザインだった。
「なぁ。本当にこれでいいの?」
リカちゃんがそれを紙に吹きかけ、俺に聞く。
嗅いでみると、俺の好きなあの甘い匂い。
リカちゃんの匂いだ。
俺は考える間も無く頷いた。
「ふぅん。んじゃ買ってくるから待ってて」
スタスタとレジに向かっていくのを確認して、俺は香水のあった棚の前に立った。
瓶だけかと思ったら、きちっと箱に入っていて…どう見ても安そうには見えない。
高そうな匂いだとは思ったけれど、まさかブランド品とは……えっと、これ……い、1万円?!
たかが香水に1万円もするのか?!
それを躊躇わずに買ってしまえるリカちゃん。
いくら大人だとしても、それはどうなんだろう。
「はい。どーぞ」
リカちゃんがお会計を終えた紙袋を俺に渡す。
ご丁寧にラッピングまで施されていて、とても恐縮してしまった。
「……悪い」
「は?なんで謝んの?」
「こんないいやつと思ってなくて…」
居た堪れなくて顔が上げられない。
調子に乗って同じ香水が欲しいとか言った自分に嫌気がさす。
すると、リカちゃんはそっと俺の頬を撫でた。
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