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幸せと共に始まった誕生日は悪夢で終わった。
隣に越してきた担任は、不真面目で素行の悪いクズ生徒を懲らしめるためにエッチなお仕置きをして。
んでもってバカな生徒は、まんまと担任を好きになり
きっと先生も俺のことを!!とか期待しちゃった生徒は人生初の告白をして見事に玉砕した。
終わってみれば全てが呆気ない。
横浜からの帰りはただ息苦しいだけの沈黙だった。
行きに繋がれてた手はもちろん離れているし、ガムをくれと言われたりもしない。
マンションに着いてからの会話といえば「おやすみ。また明日学校でな。」のみ。
ということは、リカちゃんは今日このベッドで寝ないって事だろう。
普通の教師と生徒なんだから一緒に飯を食べる事もない。
普通の教師と生徒。
普通……ってなんだろう。
「数回しか使ってもらえなかったな…」
リビングにあったリカちゃんの灰皿は寝室にある。
本人がいないなら、せめて何か思い出のある物を…と思って持ってきたはいいが、なんて女々しいんだろうと情けなくなっただけだ。
「はぁ」
出るのはため息ばかり。
涙は枯れ果てるぐらい流した。
どんなに泣いても、どんなに責めても謝るだけだったリカちゃん。
リカちゃんはまた俺を名前で呼んでくれるのかな。
今、俺を呼ぶのは記憶の中にいるリカちゃんだけだ。
「………………マジで散々だ」
リカちゃんが俺にした事は許されることじゃない。
けれどそれを受け入れたのは俺だ。両思いだと思い込んでた俺が悪い。
そう思うのですら、きっと俺は毒されてる。
獅子原 理佳という名の猛毒の花に。
綺麗な花には棘がある……と言うけれど綺麗な男には毒があるらしい。
どうして俺なんだろう、と考えるのは自分が汚い人間だからだろうか。
あの男にとって、俺だけは特別だと思っていたいからかもしれない。
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