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「あー……アイツからまだ聞いてなかったのか?
俺、アイツの弟なんだわ」
「はぁ?!」
ちょっと待て。そんな話聞いてない。
え、でも…。
「だって、苗字違うじゃん」
「うち俺がガキんとき離婚してんの。
俺は母親に引き取られて、兄貴は父親んとこ。
俺ん家が母子家庭なのは知ってるだろ?」
いや、嘘だろ……。
でも言われてみれば、どことなく似てる。
目を細め笑う顔とか、呆れた時の見下した目とか。
「だから歩がタバコ吸ってんのに動じなかったんだ…。」
「俺が吸い始めたの兄貴の影響だからな。自分が引きずり込んだんだから何も言えねぇだろ」
そう言って歩がニヤッと笑う。
その顔はまさしく兄弟…。
知ってしまえばそうとしか思えなかった。
「んで?何がどうなってフラれたとかいう馬鹿げた話になったんだよ」
「馬鹿げたって……こっちは真剣に告ったし」
真剣も真剣。
なんたって人生で初めて告白したんだから。
「そもそもさ。いつから兄貴とそんな仲になった?」
「1週間ぐらい前に隣に越してきて飯作ってくれて。
そしたらベッド無いって言うから一緒に寝て……」
「はぁ? 一緒に寝てんの?」
「あ、でも昨日は寝てない」
「そこかよ」と呆れた歩がまたタバコに火を点ける。
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