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「とりあえず俺のモノって印つけとくから」
鷹野の唇が首筋に当たる。
リカちゃんとは全く違う感触に鳥肌が立った。
触れられたところから腐ってしまえばいい。
腐り落ちて跡形もなく消えてしまえばいいのに。
首につけられた赤い跡は見えない首輪となって俺を捉える。
鷹野が去った部屋の中、ぼんやりと思い浮かべたのは目を眇めて笑うリカちゃんの姿だった。
*
軽い貧血だと思うから寝てていいわよ」
教室に戻れず、かといって行く宛もなくフラフラと彷徨っていた俺は偶然会った保健医に連れられ保健室に来た。
色んな事がありすぎて頭がパンクしてしまいそうだ。
何も考えたくなくて目を瞑る。
よほど疲れていたのか気づけば眠っていた。
「そうですか。……はい、この時間は授業がないので」
「なら少し席を外していいですか?兎丸君はまだ寝てると思いますから」
「ええ。僕が代わりに見てますのでどうぞ」
カーテンの向こうから声がする。
しばらくしてドアが開いてパタパタと足音が遠ざかってゆく。
「兎丸、入るぞ」
かけられた声にビクンッと身体が跳ねた。
この声は……きっと。ううん、間違いない。
俺は咄嗟に背中を向け、布団で顔を隠す。
「寝てるのか?」
間近に音がして俺を覗き込んでるのを感じる。
ふんわりと香る甘いバニラの匂い。
俺だって同じのをつけてるのに、また違う匂いだから不思議だ。
「…………慧」
「っ…!」
掠れた声で俺を呼ぶ。
そっと頭を撫で耳に触れる。
会いたくて……でも会いたくなかったリカちゃんが俺を見下ろしている。
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