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「また……泣いたのか」
どうしてそんなに悲しそうな声をしてるの。
「慧」
どうして俺の名前を呼ぶの。
振り返れば…手を伸ばせば届く距離。
そこには前まで無かった見えない壁が立ちはだかる。
「慧…」
耳元にあったリカちゃんの手が俺のうなじを撫で、下へ降りていく。
そして止まった。
「……なに、これ」
リカちゃんがそれに気づいてしまった。
鷹野につけられたキスマークに。
「俺がつけたのじゃ…ない」
心臓が止まるかと思った。
むしろ今この瞬間に止まってほしい。
「痛っぁ!!」
グイッと後ろ髪を引かれて振り返らされ、中途半端に起こされた体勢に身体のどこかが悲鳴を上げた。
「それ、誰がつけた?」
俺を睨みつけるリカちゃんと目が合った。
「誰につけられたって聞いてんだよ」
「リ……リカちゃんに、関係…ない」
「へぇ。誰にそんな口聞いてるか、わかってんの?」
その目が俺を冷たく見ていた。
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