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「兎丸君。一緒に帰ろう?」
自分の鞄を肩にかけ爽やかに笑いかける鷹野。
その声に俺は固まり、背中に冷や汗が流れた。
「何その顔。帰る約束してたの忘れてた?」
どうしてそんな風に笑えるんだろう。
コイツには罪悪感とかそういうのは無いんだろうか?
……そんなのがあるのなら、俺を脅したりしない。
今のコイツにあるのは新しい玩具を見つけた満足感。
そしてそれを思い通りにできる優越感。
きっとそうに違いない。
「へぇ。鷹野と慧ってそんなに仲良くなってたんだ?
なんか妬けるー!!」
「うん。話してみると意外に気があったんだよ」
その作られた笑顔が気持ち悪くて睨みつける。
「そうは見えねぇけどな」
「…歩?」
俺の側へ寄ってくる鷹野の肩を歩が掴む。
「本当か?慧」
秘密を握られ脅されてるって言いたい。
けれどそれを言ったら困らせてしまう…。
「うん、まぁ…鷹野、いいヤツだし」
こんなの嘘でも言いたくないのに。
それなのに鷹野の目がこちらを向くだけで俺は従わざるを得ない。
「ほらね?いい加減離してよ。というより、牛島には関係無い話だよね?」
「てめぇ……」
「さあ、兎丸君帰ろう」
心配そうな拓海と鷹野を睨みつける歩に別れを告げ、俺は教室を出た。
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