アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
131
-
*
「慧。帰んねぇの?」
「あぁ、うん……」
死刑へのカウントダウンが始まる。
長いようで短い1日が終わり、放課後がやって来た。
この後の事なんて考えたくもない。
「拓海。ちょっとついて来て欲しいんだけど」
歩が拓海に話しかける声が遥か遠くに聞こえた。
「俺?それなら慧も一緒に…、」
「俺は拓海に用事があるって言ってんだろ」
「は?!え、なに?」
歩に引きずられるように拓海は連れて行かれてしまった。
またカウントダウンが進む。
10…9…8…7…6…
ほら、足音が聞こえてきた。
5…4…3…2…1……
「兎丸君。お待たせ」
執行の鐘が鳴る。
「さ、行こうか」
「……鷹野。家は、嫌だ」
今の俺が出来るせめてもの抵抗。
お前のテリトリーには入りたくない。
そこへ行ってしまうと、何もかも同意したようになってしまうから。
「はぁ?そんなんで逃げられると思う?
……じゃあ学校でいいよ」
「い、嫌だ!学校はもっと嫌だ!」
「ワガママ言うなよ。来ないとばら撒くから」
やっぱり執行は免れない。
学校でされるぐらいなら家の方がまだ良かった。
リカちゃんとの思い出がある学校でなんて絶対に嫌だ。
けれど今さら悔やんでも遅い。
鷹野はどんどん俺を引っ張って行く。
着いたのは、あの美術室。
今日も油の匂いが充満していて数日前の記憶が蘇る。
俺を脅した場所で俺を犯す。
卑怯で非人道な鷹野らしい方法に目眩がしそうだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
131 / 1234