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「離せ!離せつってんだろうが!!!!」
「ちょっ…兄貴、落ち着けって!慧なら無事だから!!」
腕を振り上げ、怒りを露わにするリカちゃんと、それを羽交い締めにする歩。
その後ろにはドアにもたれ、中が見えないように隠す桃ちゃんの姿まである。
「こいつだけは絶対に許さねぇ!」
「だからって教師が生徒殴るのはやべぇって!」
「自分の大事なヤツも守れねぇなら今すぐ教師なんて辞めてやるよ!!!」
リカちゃんに投げ飛ばされたらしい鷹野が立ち上がる。
ヘラヘラ笑いながらも、その目は射るようにリカちゃんを見ていた。
「覗くなんて悪趣味ですね、獅子原先生」
「っ、鷹野…てめぇ…ッ!!」
「やだなぁ。これは同意の上ですよ。ね、兎丸君?」
鷹野には絶対の自信がある。
自分は絶対に負けない自信が。
「リカちゃん…」
リカちゃんの目が俺に向き、苦しそうに歪んだ。
「リカちゃん。ごめん、なさい」
守れなくてごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。
「……歩。もう離して大丈夫だから」
歩が掴んでいた腕から手を離した。するとリカちゃんは鷹野を睨みつけた後、俺にそっと近づいてきて
「…遅くなって悪い」
ぎゅっと強く抱きしめてくれた。
「リカちゃっ、ごめ、ごめんっなさい……」
ボロボロと涙が溢れる。
痛いぐらいに強く抱きしめられ、俺はその広い背中に手を回した。
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