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「どんどんお前にハマっていく自分がいた。俺しか見えなくなってほしかった。
まさか本当にそうなるとは思わなかったけど…」
「…仕方ないだろ。好きになったんだから」
「10歳も年上の担任を?」
「その10歳も年下の生徒に手を出したの誰だよ」
「それもそうだな」
リカちゃんが笑う。
そっと俺に手を伸ばした。
けれどその手は俺に触れることはなく宙で止めてしまう。
「これからする話を聞いて、お前は俺を許さないと思う。
嫌いになって憎むかもしれない。
それでも…聞いてほしい」
「…うん」
俯いたリカちゃんの表情は見えない。
宙で止まっていた手で額を押さえながら、ゆっくりと顔を上げる。
閉じられた瞼が開き、現れた黒の双眸が真っすぐに俺を見た。
「星一が死んだのは俺の所為なんだ」
周りの木々がザァッと揺れる。
「お前の大切な兄貴を奪ったのは俺だ」
リカちゃんの声が頭に響いた。
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