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「リカちゃん……っ、リカちゃ…」
「もう黙って」
リカちゃんがそっと口付ける。
最初は軽く、次第に深く…まるで今までの時間を埋めるように。
「んっ」
「何も見えなくなるぐらい…俺は慧が好きだよ」
「リカちゃ、っふぁ………」
恋人同士になって初めてのキス。
今までと同じようで、それでいて全く違うキス。
唇を離した後、リカちゃんはバツが悪そうに口元を隠してしまった。
「これ以上はダメ。今日、夢に星一が出てきそうだから」
「なんて?」
「人の墓前でディープキスしてんじゃねぇよ!てめぇがイチャついてんの見て寒気したわ!!……とか?」
「星兄ちゃんがそんなこと言うワケねぇだろ」
「だからお前の前ではいい兄貴演じてたんだって。
アイツ本当に性格悪いんだからな……って墓の前でする話じゃねぇな」
2人でクスクス笑って星兄ちゃんに向き合う。
星兄ちゃん。
俺、今すごく幸せだ。
隣にリカちゃんがいてくれる。
本当は星兄ちゃんにたくさん話したい事があるんだ。
ほとんど惚気になっちゃうけど…星兄ちゃんなら笑って聞いてくれるだろ?
リカちゃんがそっとしゃがみ込み、墓石に触れた。
「星一。俺、教師の仕事好きだよ。これからも続けたいと思ってる」
そっと風がリカちゃんの髪を揺らす。
「絶対に大事にする。泣かせない……ってのは無理だけど」
「泣かせんなよ」
何言ってんだよ、と軽く睨めば悪戯に笑う。
「それは無理。俺お前の泣き顔見んの好きだし。
まぁ…………それ以上に幸せにしてみせるからいいか」
「何様だよてめぇ」
「決まってるだろ?リカ様だよバーカ」
リカちゃんが俺を見つめる。
細められた瞳の奥の穏やかさに、言われた言葉とは裏腹に自然と笑みが零れた。
「ずっと……ずっと愛し続けるって誓うよ」
そっと落とされた誓いのキス。
祝福するように、どこからか柔らかく暖かな風が吹いた。
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