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「そーれーにー。リカってばウサギちゃんにメロメロでしょ?意外と乙女趣味で意外と束縛魔だし?」
「確か前に首輪を付けたいと言ってたよな」
本当は雁字搦めにして逃げないように見張っていたい。
その背中にある羽をもぎ取って、何処にも行くことのないように閉じ込めてしまいたい。
「捨てられないように頑張るよ」
けれど今はただアイツの思いを尊重したい。
どこまでも真っ直ぐで
一直線に俺の元へ向かってくるアイツを。
「リカちゃーん。腹減ったんだけどまだかよ」
「桃さん、手伝いますよ」
「美馬さん!!トマト抜いてくれた?!」
騒がしい声が聞こえ、俺たちは顔を見合わせて笑う。
「ねぇ。ところでさぁ…」
事件は拓海の言葉から始まった。
「桃ちゃんって弁護士さんなの?」
「そうよー。敏腕売れっ子弁護士なの。凄いでしょ?」
「ふぅん。桃城さん?それとも桃山さん?桃ちゃんってなんて名前なの?」
そう言えば俺も桃ちゃんのフルネームを知らない。
歩も知らないらしく、俺と同じく黙って桃ちゃんを見る。
黙り込みスプーンを握ったままの桃ちゃん。
グラス片手に肩を震わせ、笑いを堪えるリカちゃん。
そして……
「聞かれてるんだから答えろよ………………大熊 桃太郎」
美馬さんの言葉にシーンとその場が固まる。
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