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リカちゃんの作ってくれた豚汁とサバ味噌を美味しくいただいた俺は、ソファに座ってぼんやりとしていた。
もちろんテレビはつけていない。
その理由は、これだ。
ガチャッ。……バタン。
隣の家から聞こえた音に、テーブルに置いていた教科書に手を伸ばす。
数分待って、それを脇に抱え俺は家を出た。
渡された合鍵を差し込み、ドアノブに手をかける。
内鍵の掛かってないドアは簡単に開いた。
3メートルほど続く廊下を抜け、ガラス越しに見える背中を見つめた。
スーツのジャケットを脱いだ姿。
キュッと締まった細い腰。
俺たちの間を隔てていた最後の扉を開ける。
「……やっぱり来ると思った」
「おかえり。リカちゃん」
「ただいま」
ネクタイを緩めながら、こちらを振り向くリカちゃんに俺の胸がドクン…と鳴る。
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