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18歳以上ですか?
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「なぁ慧。元気出せよ」
拓海に慰められながら、俺はさっきの屈辱を思い出す。
何が悲しくて親友…しかも1人は恋人の弟…の前で自分の性事情をボロったんだろう。
それもこれも全てアイツが悪いのに!!
キッと俺は性悪な自分の恋人を睨んだ。
フェンスに凭れ、のんびりとタバコを吸うその姿は…確かに大人だと思う。けれど中身はただの悪ガキだ。
「まぁまぁ…しゃーねぇよ相手は10歳以上も年上なんだし」
「以上じゃねぇし。ちょうど10歳だし」
そこにどれだけの重みがあるのかと聞かれれば、それは俺のプライドだ。
少しでもあの人に近づきたい。ガキだと思われたくないという男としてのプライドが込められている。
「小っちゃ!!」
「うっせぇな!」
「でもさ、リカちゃんもうすぐ誕生日だしすぐ11歳差になるじゃん」
俺の手から食べかけのメロンパンが落ちた。
「は?!誕生日…?いつだよ?!」
「えっ……4月……20日」
「なんで拓海が知ってんだよ!」
俺が知らなかったリカちゃんの誕生日をなぜか知っている拓海に詰め寄る。
よほど迫力があるのか拓海の目元がぴくぴくと動いた。
「さ…さっきの授業で…言ってた、じゃん?」
………。
俺が聞き取れたのは名前と職業だけだ。
拓海に、負けた。
それもこれも…やっぱりリカちゃんが悪い!
責任を180度方向転換で擦りつけた俺は、誕生日を教えてくれなかった冷たい恋人をさらに睨みつけた。
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