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兄貴が、くぁ…と欠伸を噛み殺し、目頭を抑える。
「寝てねぇの?」
「んー…まぁ学期始めは忙しいんだよ」
「それにしては昨日もお盛んだったみたいで」
チラッと見えた慧の首元のキスマーク。
見えなさそうで見えるところに付けるのが兄貴らしい。
「帰ったら尻尾振って寄って来たからな。
あれ可愛すぎて心臓に悪い」
「はい、ごちそうさまー」
「お前なぁ…最近の高校生は生意気過ぎるだろ」
また欠伸を堪える兄貴に、相当疲れが溜まってるんだなって思った。
それでも慧を優先するあたり兄貴の溺愛っぷりは半端ない。
「ぁー…俺がこんだけ尽くしてやってんのに、あいつちゃんと理解してんのかよ」
微かに聞こえる慧の声は「俺様」だとか「性格悪い」とか明らかに誰かさんの悪口だ。
けれどその目は時々、兄貴を見つめるから説得力なんて無い。
そして気づいてるくせに知らんぷりする兄貴も大概性格が悪いと思う。
「兄貴が尽くすタイプって信じらんねぇ」
「俺ほど優しい男いないだろ」
「それ自分で言うあたり俺様で性格悪いよ」
「それな」
ドヤ顔でなぜか自慢げな兄貴に思わず吹き出してしまった。
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