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ただでさえ目を惹くウサギがバイトなんてしてみろ。
変な虫が寄ってくるに違いない。
このクソ忙しい時に余計な面倒を起こさせてたまるか。
そんなこと1ミリも知らないバカウサギは、今もどこかでプンプン怒っているんだろう。
投げつけられた鍵が掠めた頬がヒリヒリ痛む。
「…チッ」
「ヒィィ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「あ?何立ってんだよ」
「え…だって訳せって…。俺予習してないから、いつも立たされてるし…」
すっかり授業中だったことを忘れ、考え込んでいた自分に気付く。
こんなんじゃ駄目だ。俺はあいつより遥かに年上なんだからしっかりしないと…。
ハァ、と溜め息を吐けば視界の片隅で、これまたクソ生意気な弟がニヤニヤと俺を見る。
「じゃあ鳥飼に変わって牛島。このページ全部訳して」
「はぁ?!なんで俺?なんで全部?」
「うるさい。俺がやれっつったら従え」
唸りながら睨む弟を見て、さらに深い溜め息を吐いた。
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