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プカプカと吐き出した煙で遊んでいた歩が呆れたように俺を見る。
「ただでさえ向こうは大人なんだし。お前さ、兄貴が誰にも言い寄られてないと思ってんなら間違ってるからな」
「そんなの思ってねぇよ…」
リカちゃんが人気なのは知ってる。
みんながみんな恋愛感情を持ってるとは思わないけれど、少なくともうちのクラスにリカちゃんを『そういう意味』で好きなヤツはいると思う。
「あの人その気になれば浮気ぐらい簡単にやってのけそうだし。この場合は二股になんのかな」
「浮気……二股………」
「生意気で言うこと聞かない高校生より、話のわかる素直で可愛らしい子の方がいいってなるかもなー」
リカちゃんが浮気…。
あのリカちゃんに限って……
…………いや。ありえすぎるだろ。
人を屈服させんのが好きなリカちゃんだ。
余りにも俺が反発すると「もう面倒くさいからお前いらない」なんて言ってあっさり捨てられかねない。
ズーン…と背中に文字が乗っかりそうなほど落ち込む。
「え、まさか今の信じたのか?
ありえねぇだろ……あの兄貴がお前手放すかよ」
歩の声も解けた氷の音も俺には何1つ聞こえなかった。
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