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「リカちゃ…」
「俺とお前は育った環境が違う。知り合った人間も重ねてきた経験も全く違う。これから先も交わる事はない」
「それどういう意味だよ」
「お前もわかってるだろ?俺と自分比べて遠いとか感じてたろ。その事に悩んでたって俺が気づかないと思うか?」
まるで2人が別々へ向かって行くような言葉に俺の胸が締め付けられる。
俺の後ろに立ったリカちゃんを振り返りたいのに振り返れない。
表情がわからないから次の言葉が怖い。
「何いきなり。そんなの当たり前だろ?
そうだ!小腹空かねぇ?俺、なんか買って…」
「慧」
「なんで……なんで?なんでこんな時に名前なんかで呼ぶんだよ」
なんで最後の逃げ道まで閉ざしてしまうんだよ。
まだ答えを言われたわけじゃないのに
なんで俺は泣いてるんだろう。
「慧」
いつもは呼ばれて嬉しい名前ですら聞きたくない。
今すぐその口を封じてしまいたい。
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