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リカちゃんの誕生日から3週間が過ぎた。
誕生日の当日は朝から桃ちゃんと美馬さんがやってきて、その後歩と拓海も合流して…それはもう賑やかだった。
季節は5月の中旬。
あと2週間もすれば中間テストがやってくる。
「テスト…嫌だなぁ」
「サボってる人間が言う台詞じゃねぇよ」
俺の隣で寝転んでいる拓海にそう言えば、くるんと身体をこちらに向け睨みつけられる。
「なんだよ」
「慧はいいよなー!帰ったら専属の家庭教師がいんだから。ズルい!!」
「ズルいって……そんないいもんじゃねぇよ」
本当にその通りだと思う。
確かに教えんのは上手いし、何聞いても答えが返ってくるのはさすがだ。
けれど忘れてはいけない。
リカちゃんはドSだ。
初めて勉強を教えてもらった時も「バカ」や「お前の頭の中に脳味噌はあるのか」や…もう思い出すだけで悲しくなるぐらい罵倒された。
例え恋人になったからと言って、それが変わる事はない。
毎晩のようにバカを連呼され、呆れた目で見下される屈辱。
なんで俺は勉強が出来ないんだ…と心の涙を何度流したかは数え切れない。
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