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「混んでた?」
「いや。途中で厄介な車に絡まれてな…。まぁ少しキツく言ったら謝ったから許してやった」
2人が並んで会話するのを見ながら、俺は歩に聞いてみる。
「美馬さんの運転、そんなやべぇの?」
すると歩は眉を吊り上げながらも左右に首を振る。
「やべぇなんてレベルじゃねぇ。あれは運転なんかじゃなく乱闘だ」
「乱闘?」
「運転は問題ねぇんだよ。寧ろ上手いと思う。けど気性が荒すぎる」
日頃、桃ちゃんに対する態度を見てるから驚きはない。
けれどここまで歩が言うなら…よっぽどなんだろうな。
あれ?
美馬さんがいるって事は…。
「っつか豊、桃は?」
俺の疑問を代弁したかのようにリカちゃんが問いかける。
すると美馬さんは一言「トランク」とだけ言った。
急いで駆け寄ったトランクを開ける。
そこには、
「開けろバカ野郎っ!!!今すぐ出せ!出さねぇとどうなるか知らねぇからな!!」
手足を縛られた桃ちゃんが転がっていた。
いつも優しくて暖かくて綺麗な瞳には薄っすらと涙が浮かんでいる…ような気がする。
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