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「やっぱ目立つな…あの3人」
同じ事を思っていたらしい歩がそう言う。
黙ってれば、みんなモテるだろうな。……黙ってれば。
「俺らも10年後あんな感じなってんのかなー…」
「さぁな。少なくともおネェは無いな」
「確かに!けど歩はリカちゃん先生みたいになるんじゃね?」
10年後…俺たちはどうなってるんだろうか。
今と同じようリカちゃんと一緒にいられるといいと思う。
リカちゃんを支えていけるような男になりたいと思う。
「おかえり」
誰よりも先に俺を見つけてくれる。
この人と生きていきたいと思う。
みんなから隠れるようにその手を握る。
ふっと笑ったリカちゃんが握り返してくれた。
こういう時、好きだなぁって実感するんだ。
「ウサギちゃーん!ウサギちゃんもソフトクリーム食べない?もちろんリカの奢りで!」
俺を呼ぶ桃ちゃんの声に、パッと手を離した。
「なんで俺の奢りなんだよ」
「アンタの可愛い生徒でしょ?ソフトクリームぐらいケチってんじゃないわよ!」
「俺焼きそば食いたい」
「歩また麺食うの?出る前にラーメン食ってたじゃん!」
「同じ麺でも種類が違うんだよ」
お前らなぁ…とか言いながらも、リカちゃんは俺に財布を渡した。
「お前も好きなの買ってこいよ」
「……いいのかよ?」
「変な遠慮してんじゃねぇよクソガキ」
背中を押され、みんなの元へ向かう。
それを見つめるリカちゃんの目はとても優しく穏やかだった。
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