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「あら、リカってば財布ごと寄越したの?相変わらずキザな事するわねぇ…」
俺を待っていてくれた桃ちゃんは、手からリカちゃんの財布を奪ってしまう。
躊躇うことなく開き、少し経って笑った。
「ふふっ。やだぁ…リカってば健気ー!!!」
「へ?」
「それにしてもウサギちゃん愛されてるわねぇ。アイツどこまででも貢いでくれるわよ」
「貢ぐ?」
「まさしく溺愛リカちゃんね!!」
「溺愛?」
よくわからないけれど、何やら楽しげな桃ちゃんは俺を置いて行ってしまう。
追いついた先ではすでに歩と拓海がこれでもかと買い物をしていて会計待ちだった。
「慧。早く払って」
「お前ら遠慮ねぇのな…」
リカちゃんの財布を開けようとした俺の手を桃ちゃんが掴む。
「ここはあたしに任せなさい!リカにばっかり良いところ持ってかれちゃ堪んないわ!」
結局、リカちゃんの財布が開かれることは一度もなく、全て桃ちゃんが払ってしまった。
何のためにこれを預かったんだろう?と首を傾げる。
「今はまだ内緒の方がいいと思うのよね。リカってば絶対忘れてるに違いないんだから…変なとこ抜けてるのよ」
その意味を知るのは…まだもう少し先の事だ。
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