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「その様子じゃ桃のあれ見たんだろ?」
「…うん。でも理由は聞けなかった…聞いちゃダメな気がして」
リカちゃんが反対の手で何かを探す素振りをする。
きっと癖でタバコを吸おうとして持ってないことに気づいたんだろう。
「あー、まぁ聞かなくて良かったんじゃねぇの。あれの理由を知ったところで何かが変わるわけじゃないんだし」
「でも…」
「桃だっていい大人だ。プライドも意地もある。
お前に聞かれたとしてもアイツは答えねぇよ」
そう…だろうけど。
いつも助けて励ましてくれる桃ちゃんに俺は何も出来ない。
「桃が嫌になった?」
「え?」
重ねただけの俺の手を、リカちゃんが合わせるように繋ぐ。
指の腹で軽くリズムを刻む仕草がリカちゃんの真剣さを伝えてくる。
「ヘラヘラしてるくせに何考えてるかわかんない。なんか重たい過去背負ってる…そんな桃が嫌か?」
「嫌…?」
思い出すのは賑やかで楽しい桃ちゃん。
騒いで盛り上げてくれるけど、傷つけることは一切言わない。
「嫌いになんかならない。俺は桃ちゃんが大好きだ」
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