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「どう…って」
どうするだろう。
まず思うのは「嫌だ」ということ。
次に「なんで」って言葉が浮かぶ。
なんで他に好きなヤツがいんのに俺と付き合ってんの?
俺は身代わりなの?そいつと上手くいったら捨てるの?
出た答えは1つ。
「…………そんなの酷い」
ぽつりと零した言葉に、拓海は慌てたように手を振る。
「違う違う!!もしもの話だって!」
「もしも…じゃねぇかもしれないだろ?! アイツならあり得……なっ、まさか?!」
「それも違う!俺別にリカちゃん先生のこと好きじゃねぇから!!」
まさかリカちゃんが…じゃなく、拓海がリカちゃんを好きなのか?そう勘違いした俺に即座に否定する。
「慧…お前どんだけリカちゃん先生好きなの」
「………うっせぇ」
「まぁリカちゃん先生も慧のこと好きだし、お互い様なんだろうけど」
ニカッと笑った拓海は、グラスの中の水を飲み干し立ち上がる。
「もう帰るのか?」
「うん。なんかわかったから大丈夫。
やっぱり違ってたみたい」
玄関に向かう拓海を追いかけ「なにが?」と聞くも、笑ってごまかされ教えてもらえない。
いきなり押しかけて意味のわからない質問をし、勝手に納得して帰って行く。
…一体何がしたいんだ?
靴を履いた拓海がドアに手をかけ、こちらを振り返る。
その顔は来た時と違って晴れ晴れとしていた。
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