アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
347
-
リカとウサギがお互いを確かめ合ってる一方。
***
指定した駅に向かうあたしの足取りは重たい。
けれど、これからのことを思うと無理もない。
西口の改札を出て階段を上がって右手にある噴水の前。
待ち合わせ相手は既に到着していて、相変わらずダルそうな顔で突っ立っていた。
自分に向けられる視線など気づいてないのか、はたまた気づかないフリをしているのかはわからない。
彼を見る多くの目。
かつての悪友と同じ少し大人びた顔つき、長い手足。
違うのは、彼があたしに抱いてるであろう感情。
あたしに気づいた彼がゆっくりと歩み寄ってくる。
あたしからは近づかない。
それが彼に対するあたしなりの壁の作り方だ。
「ちゃんと来た。」
そう笑う彼…歩ちゃんは自信に満ち溢れていて眩しい。
「ふんっ!約束は守りますー!!」
「LINE無視したくせに」
「返すつもりだったわよ!」
「はいはい」
小癪で生意気。それなのに気遣いのできる子。
悪い子じゃない…だからこそ、悪い。
「じゃあ行きましょうか」
「今日はどこに行くの?」
「んー……秘密」
「それハードル上げてるわよ?」
「いいっすよ。どんどん上げてくれて」
歩き出したのを追いかける。
なぜか、なぜだか…さっきより足取りは軽かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
347 / 1234