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荒い息を整えながらリカちゃんを見る。
「っ、また思い切り噛んでくれたもんだな…。血まで滲んでんじゃねぇか」
2本の指にはくっきりと浮かぶ歯型。
その型に沿って染まる赤い筋。
「悪い…」
絶対痛い。音を感じるぐらい噛んだのだから痛くないわけがない。
それなのにリカちゃんは俺を責めるでもなく、出した精液のかかった腹と汚れた下肢を清めてくれる。
ちゃんとハンカチを持ち歩いてるのがリカちゃんらしい。
「リカちゃんはいいのか?出さなくて」
「あぁ。痛みで萎えた」
フニャフニャの自身を拭いてから下着に戻し服を整える。その指には、やっぱり赤い痕。
キスマークよりも取れにくく、そして痛々しい。
「すげぇな…この歯型」
その痕に舌を這わし笑う姿は恐ろしいほどに妖艶で少し怖いとすら思ってしまう。
「それ、どうやって隠すんだよ?」
「んー……絆創膏でも貼っとけばバレねぇよ。
それより、そろそろ戻っていい時間だな」
時計の短針は余裕で1周を越していて、約束の1時間など既に過ぎ去っていた。
「早く片付けて帰ろう。なんか疲れた」
「それは俺の台詞だ!電話しながらヤるとかお前バカじゃねぇの?!」
「その電話しながらのセックスで、あんあん言ってたのは誰だよ。慧君のエッチ」
「…ッ、マジで腹立つ!!」
俺をからかうリカちゃんを殴ろうと腕を振り上げる。
もちろんその手はリカちゃんを殴る前に掴みとられ、恋人繋ぎへと代わる。
「離せ!」
「クッソ可愛くねぇの」
パッと離された手。俺を通り越したリカちゃんが部屋を出て行く。
もう一度見回した教室内はやっぱり何も無い。
さっきまであそこでアレをしていたのが嘘みたいに静かだ。
『静かすぎて寂しい場所』
それなのにリカちゃんはここがお気に入りらしい。
「なぁ。またここに連れてきてくれる?」
「それはどうかなぁ」
旧校舎の立ち入り禁止テープを跨ぎながら聞けば、相変わらずの意地悪な返事しかこない。
「性悪教師」
「そうだな。俺はどうしようもないダメ教師だよ」
「別にそこまで言ってねぇだろ」
「本当の事だしな」
いつになく、しおらしいリカちゃんに違和感はあるけれど俺は歩みを進める。
「慧」
不意に呼ばれた名前。立ち止まったままのリカちゃんが俺を呼んだ。
「なんだよ」
振り返った先には優しい笑顔で俺を見るリカちゃんがいる。
「俺に会いたい時はここにおいで」
「はぁ?ここなんか来なくても家でも会えるだろ」
「だから会いたくなったらって言ってんだろ」
「いきなり意味わかんねぇ」
「わかるまで考えろよ。それがお前の宿題な」
いきなり出された謎の宿題。
答えも…ヒントすらくれない難問。
リカちゃんからの宿題は俺を悩ませる種になる。
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