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「これ以上大きくなっちゃっていいの?
桃さん俺のこと抱きたいんじゃなかったっけ?」
桃さん以外に聞こえないよう小声で言えば、ハッと周りを見回し眉を顰めた。
「っつーか俺、桃さんよりデカいんですけど」
「ちょっとぐらい平気よ」
「おとなしく俺に可愛がられときゃいいのに」
まだ主導権を諦めていない彼は、付き合いだしたはいいもののキス以上はさせてくれない。
正直、俺もお年頃なんだしそろそろ先に進みたいのに。
…とはいえ男の抱き方なんか知らねぇけど。
まぁそれは詳しいやつが近くにいるから聞けばいいんだし。
「早く覚悟決めてくださいね」
「だっ、ダメよ!!そこだけは譲れない!」
「じゃあ俺が女役でいいから今日ヤる?」
「まだ心の準備が…」
抱く方が心の準備いるか?
いるのはどちらかというと突っ込まれるらしい俺だろ。
『らしい』であって確定ではないけど。
「あんまりお預けしてると襲っちゃいますよ」
モジモジと動く指。
赤らんだ頬に窺うような目。
それなのに出てくる言葉は
「お、襲い受け………やだ、燃えるっ」
違うだろ。
なんでまだ自分が抱くと思い込んでんだよ。
「あんた本気でわっかんねぇわ」
からかうのも飽きて目の前の唐揚げを口に放り込んだ。
向かいではまだイチャイチャしてるバカップル。
隣にはニタニタ笑っているオカマ。
「俺も人のこと構ってる余裕ねぇってことか」
そのうち嫌でも状況は動く。
それなら今ある時間を楽しむべきかもしれない。
なんとかなる…んじゃなく『なんとかする』
兄貴ならそうするだろう。
俺はそう思っていた。
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