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438 (R18)
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お玉を俺の手ごと握ったリカちゃんが確認するようにかき回す。
数回頷いて目の前の収納棚から何かを取り出した。
「隠し味と最後の仕上げしたら完成かな」
リカちゃんの左手に握られているのは蜂蜜の瓶。
その蓋を開け鍋に瓶から直接垂らす。
計ったりしないのは面倒臭いからじゃなく慣れからの目分量だろう。
カレーの刺激的な香りに混じる濃厚な甘い匂い。
琥珀色の蜜が詰まった瓶が俺の前に掲げられる。
「これ結構珍しいヤツでさ。わざわざ取り寄せるぐらい俺のお気に入りなんだよ」
「へぇ……ってそれがなんだよ」
27歳の男が蜂蜜にこだわるなんて、そっちの方が珍しい。車も服も香水も…リカちゃんは自分の満足いくものしか選ばない。
そしてそれが嫌味なほど似合うんだからズルいと思う。
スーパーで見かけるような安っぽいボトルじゃなく、お洒落なラベルが貼ってある小瓶。
開けたばかりなのか、たっぷり入った蜜を軽く揺らしながらリカちゃんが囁く。
「そういや慧君も蜂蜜好きだったっけ?」
大体良くないことを考えてるときに呼ばれる『慧君』
リカちゃんと一緒に過ごすようになって半年が経ち、俺もだんだんわかってきた。
これは…まさか………っつーか絶対。
「この俺が美味しく仕上げてあげるね」
にっこり笑う爽やかな雰囲気とは真逆の台詞。
そして驚くほどの早さで俺の服を脱がしてしまう慣れた手つき。
「ちょ…待て!!やめろっ!」
「大丈夫。俺、スイーツ作りも得意だから」
「じゃなくてっ!」
「名づけて『淫乱ウサギの蜂蜜漬け。新鮮生クリームを添えて』とかどう?」
生クリームの正体とか嫌な予感しかしないし、その他も色々ツッコミをいれたい。
学校でこいつのことを崇拝してるやつらに教えてやりたい気持ちになった。
誰もが振り返るような整った顔、甘くて色っぽい声で紡ぎ出す言葉は今日も変態極まりない。
「………バカ」
リカちゃんに向かい直して首に抱き付く。
こうやって冗談言い合って意地悪されて仲直りする…なんて俺たちらしい。
「服に付くと面倒だから下も脱ごうな」
リカちゃんは冗談じゃなくて本気だったみたいだけど…でも、それでもケンカしてるよりいい。
いそいそと俺のズボンと下着を脱がせていくリカちゃんに唇を寄せ、自分からキスをする。
すぐに絡まる舌が嬉しくて夢中で俺も追いかける。
「ン…ぁ、ふぁっ」
ゆったりと頭と身体を撫でる手が心地良くて身を任せる。
やっぱリカちゃんキス上手いなー…なんて浸っていれば身体にかけられた何かに震えた。
甘さの漂う琥珀色が胸元に道筋を作り、それは2つの頂へと繋がっていた。
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