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右腕を押さえ、ソファーから立ち上がった歩。
咄嗟に投げ捨てたタバコを灰皿で消したのは美馬さんだ。
「何すんだよ!」
「いや、歩君があまりにも偉そうだからストップかけないとと思って」
「だからって何?!美馬さん俺に何したんすか?!」
よっぽど痛かったのか歩は目を大きく開いて美馬さんに詰め寄った。
「全身の疲労と胃に効くツボを押してみた。イライラした気分も抑えられるらしいけどどうだ?」
「余計イライラするっつーの!あんた真顔で何やってんだ!」
腕をさすりながら歩が美馬さんから離れ、俺の後ろへ来る。よほど痛かったのかおとなしく座って少し拗ねているように見える。
「で、美馬さん。話それちゃったけど拓海が父親ってどういうこと?」
すっげぇ話だったはずなのに、いつの間にか脱線してしまったのは俺と歩が悪い。
「俺たち拓海に彼女がいるなんて知らないし、その…妊娠?ってのももちろん聞いたことないよ」
あの拓海だ。彼女が出来たら真っ先に俺たちに言うだろうし、妊娠なんて重大事件を隠せるとは思えない。
「そんなの絶対ガセだって。拓海は間違いなく童貞」
「お前まだソレ言うか?」
「だってあの拓海だぞ?女とヤってるの想像つくか?」
「拓海が女の子と……」
拓海が女の子とエッチ……ダメだ無理。どう考えても無理。歩にからかわれて騒いでるとこしか思い浮かばない。
だってあの拓海が「可愛いね」とか「こっちおいで」とか言うんだぞ。
キザなこと言って意地悪して笑ってんだぞ。
絶対にありえない。
「でも父親になるってことはそうなんだろ?」
「っつーか、そもそもなんで拓海が父親になるって話になってんの?」
元をたどれば美馬さんが言い始めたこと。
歩と2人揃ってその張本人を見る。
「俺が見かけたとき、拓海君は彼女と一緒で……彼女に寄り添って出てきたんだ。
産婦人科から」
産婦人科…それはもうどう考えても答えは1つしかない。
いつの間にかいた拓海の彼女。
寄り添って出てきたのは産婦人科。
「驚く俺の目の前で…拓海君が言ったんだ。
俺、立派なパパになるから!!って」
歩の顔が引き攣ったのを感じながら、俺はいきなりの展開に眩暈がしそうだった。
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