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冷静に考えて。
どこに浮気疑われて、その言い訳をエッチの最中にするヤツがいるんだよ。
「慧君ばんざーい」
「子供扱いすんな!」
それは目の前にいた。俺の服を脱がそうと楽しそうにしてるヤツだ。
抵抗すればそんなのは想定内だったのか上は諦めて今度は俺の履いてた部屋着のズボンに手を伸ばしてくる。
ゴムだけのウエスト。そこは簡単にリカちゃんの手の侵入を許してしまった。
剥ぎ取られたズボンがベッドの下に放り投げられ、今の俺はタンクトップと下着姿。一方のリカちゃんはまだスーツを着ていてこの差はなんだろう。
悔しい……と思ってもいつものこと。
「上脱がずにヤるのって結構エロいね」
「お前の頭の中はソレばっかりかよ…」
「ベッドに行きたいって誘ってきたのは慧君だろ?」
確かに言ったけど!でも言わされたようなものだ。
あんなに甘いムード出されて口説かれて、それで我慢しろってのが無理。
「まさか慧君から誘ってくれるなんてねぇ…燃える」
フフッと笑って唇を舐める。いちいち色気を出してくるリカちゃんが俺の膝を割り、その間に自分の身体を押し入れた。
「リカちゃん続きは?」
「今からヤろうとしてんだろ」
「話の続きだよ!!誰もこっちのこと言ってねぇ!」
なんだか最近はリカちゃんのぶっ飛んだ行動によくツッコミ入れてるな…なんて思いながら、どんどんエスカレートしていく手を押し止めた。
このままじゃ流されてドロドロに溶かされて、気付けば朝だった…って展開が目に見えてる。
「話の続きしねぇならヤらないからな!!」
「なにそれ。ここまでさせといて俺にお預け?慧君ってばいつの間に性格悪くなったんだよ」
リカちゃんは俺をジッと見つめ、溜め息をついた。自分のことを棚に上げて人の性格が悪いなんてよく言えたもんだ。
俺はお前以上に性悪で、お前以上に計算高い男を知らないっての。
「話って何を聞きたいんだよ」
ムッとしながらもそう聞いてくる。何を…というより、俺は全部知りたい。
「全部。あの女は誰でどういう関係なのか、でもって隠れてコソコソ会ってたのか」
リカちゃんの返答を待つ。ドキドキと鳴る胸が示すのは緊張、不安そして期待に恐怖。
「あの人は……」
ゴクンと喉がなる。
涼しいはずなのに手が汗ばんでくる。
鼓動の音が身体中に響き、それはどんどん大きくなる。
俺の手を優しく退けたリカちゃんが動き出す。
スッとタンクトップの中に入ってきた手が肌を滑る。その冷たい感触が気持ちいい。
「ずっと会いたかった人。
謝りたくて、礼を言いたくて仕方なかった人」
「謝る?何を?」
「あの人がいなかったら今の俺はなかった」
聞いたこととは違う返事が返ってくる。
ゆっくりと確かめるようにリカちゃんが手を動かす。その手のひらが俺の左胸で止まった。
「ずっと探して、探し続けてやっと見つけた。正確にはやっと聞き出したってのが正しいけどね」
肌に触れるリカちゃんの体温は少し冷たくて気持ちいい。けれど言われた言葉は不愉快だ。
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