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先にシャワーを浴びに行ったリカちゃんを俺はベッドに埋もれたまま待つ。
我慢に我慢を重ねて吐き出した精液と零れたローションでシーツはどろどろ。そこを避けるようにして寝転がって天井を見上げた。
キラキラじゃなくギラギラ。この部屋には余分な装飾が多すぎる。
お世辞にも居心地がいいとは思えない部屋に1人でいるのが嫌で俺は起き上がろうとした。それなのに身体に力が入らない。
深呼吸しながらゆっくり時間をかけて起き上がる。体内から出てくるソレに俺は顔を顰めた。
股の間から伝ってくるのは薄ら白いモノで、その正体が何かなんて嫌でもわかる。リカちゃんが出してくれたアレの名残だ。
ひっきりなしに聞こえていた水音の原因が目の前にあってため息が出た。
この数時間でこれなら俺はこの先大丈夫な気がしない。完全にストッパーが外れたリカちゃんがこれからどうなるのか不安でしかない。
だって前までが4割なんだ。あの時ですら振り回されてたのに、全力でこられたら……
「俺、死ぬかもしれない」
頭に浮かぶのは、リカちゃんに甘やかされて可愛がられて、意地悪される想像。その後にはまたあのクソ寒いセリフが待っている。自分自身で重たいと思ってる俺のさらに上をいくリカちゃんの全力が怖い。
身体を丸めてぶるっと震えた俺を誰かが後ろから抱きしめる。誰かといっても、ここには俺とアイツしかいないんだから相手は決まってる。
「ただいま慧君」
語尾にハートマークを付けて俺にすり寄るのは俺様リカ様だ。ライオンのはずなのに子猫みたいに甘えてきて離れようとしない。
「鬱陶しい!!」
「なにその冷たい態度。さっきまであんなに可愛くリカちゃんリカちゃん言ってたのに」
「言ってねぇし。いいから離れろって」
腰に回された手を引き剥がそうともがく。けれど、びくともしなくて、ただ白い肌に薄い爪跡が残るだけだった。俺の肩に顎を乗せたリカちゃんから懐かしい石鹸の匂いがする。
「なんで?なんでいつもの匂いなんだ?」
乾かした髪を引っ張って聞けばリカちゃんは「持ち歩いてるから」と答えた。
「だってこういう所のシャンプーとか怖くて使えない」
「……お前は女か。相変わらず神経質だな」
「そう?普通だと思うけど。とりあえず早く出て着替えたい」
外はすっかり朝を迎えていて、それでも店が開くのには早すぎる時間。少しぐらい休めばいいのにリカちゃんは仮眠すらとろうとしない。
「とりあえず慧もシャワー浴びて来いよ。着替えたら何か食べて買い物でもして時間潰せばいい」
「どっか行くために来たんじゃねぇのかよ」
寝てる間に連れて来られた見知らぬ土地。何の目的でここまで来たのか教えてくれないリカちゃんに、俺はその理由を聞く。もちろん帰ってくるのは「秘密」の2文字だった。
「全然優しくねぇし。どこが甘やかしてやるだよ…」
「飴と鞭、って言うよりもサプライズ性を大事にしようかと思って」
「誰もそんなの求めてねぇから。とりあえずシャワー浴びるから放して」
素直に解放してくれたリカちゃん。振り返れば手を振ってくる。
「早く帰ってきてね慧君」
「うっざい」
「じゃないと、これビリビリに破いちゃうから」
脱ぎ捨てていた俺のパンツを拾い上げたリカちゃんが、それを振る。広げて眺めた後、何かを思いついたように笑った。
「服は昨日着てきたやつに着替えるとしてさ、パンツは新しいの買おうな」
「そのつもりだけど」
「俺が買ってやるから代わりにこれちょうだい」
「………一応聞くけどさ。何に使う気?」
聞いた俺にリカちゃんは清々しくてキラッキラの笑顔で答えた。
「そうだな……強いて言えばお守り的な」
すっげぇ綺麗な顔してドン引きのセリフを言ったリカちゃんを俺は殴る。奪い取ったパンツを抱えてバスルームへと逃げ込んだ。
ありのままのリカちゃんが好きだって思うし、意地悪でドSなところも嫌いじゃない。
でも…人のパンツをお守りにするのは、変態以外の何物でもないからやめてほしい。
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