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「え、なに?」
何の反応も示さない4人に首を傾げる。すると、目の前から何かが飛んできた。
俺の顔に当たったそれは、ころころとテーブルの上を転がりやがて止まる。
転がった緑色の小さな粒…グリンピースの向こうにいる歩が鼻で笑った。
「お前はバカか。いつまでくだらない勘違いしてんだよ」
2つめを飛ばそうとした歩の指を、隣に座っている桃ちゃんが掴む。
「駄目よ歩ちゃん。これでもウサギちゃんは精一杯考えてるもの。精一杯考えて出した答えが的外れなだけなの」
その言いざまも大概だと思った。そして、桃ちゃんの言葉に頷いた拓海と美馬さんも薄情だ。
ここに俺の味方は1人もいない…それが悔しい。
「なんで俺にだけ教えてくれないんだよ!!それとも俺には教えられないのか?!」
食って掛かった俺に、リカちゃんは握っていた箸をテーブルに戻した。こちらを見る横目で見て、ため息をつく。
「逆に聞くけどな。どうして桃と一緒に住むっていう選択肢が出てくる?この俺が桃なんかと一緒に生活するの想像できるか?」
「なんかって何よ。あたしだってリカみたいな細かい男は嫌だわ」
「ほらな。こうなるに決まってるだろ」
お互いに嫌だと言い合う桃ちゃんとリカちゃん。そう言われると、確かに無理があるような気もしない…でもないような、何が何かわからなくなった。
なんとなく気まずい空気をアイツの明るい声が打ち破る。
「ってかさ、俺もよく話わかってないんだけど……今度から慧とリカちゃん先生が一緒に住んで、その隣に桃ちゃんが住むってことで合ってる?」
本人は抑えたつもりだろうそれ。拓海が向かいに座る美馬さんに話しかけたセリフに俺は顔を上げた。
「拓海!今何て言った?!」
「えっ…」
「だから今!!!今お前が美馬さんに聞いたことを、もう1回言えって言ってんだよ!」
「慧とリカちゃん先生が住んで…桃ちゃんが隣に住む、ってこと……が何?え、なんなの?」
急いでリカちゃんを見る。今度ははぐらかされないよう、服の裾ぎゅっと掴んだ。
「これが答え?リカちゃんは俺の家に引っ越してくるのか?」
目をそらさず、見つめ合って尋ねるとリカちゃんが薄く笑った。口角を上げた唇がゆっくりと開く。
「正解。だから前に注意してやったのに」
「…注意?」
薄かったリカちゃんの笑みが濃く、深く変わった。その妖しげな雰囲気に、思わず服を掴んでいた手を離す…けれど、それは逆に捉えられてしまう。
俺の手首を掴み、悪い顔で微笑んだのはリカちゃんでもリカちゃん先生でもない。
「監禁したいって。これで朝から夜までずっと一緒…もう俺からは逃げられないね、慧君」
目の前にいたのは、異常なほどに俺を求める俺様リカ様だった。
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