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俺が何をするつもりか気付いていても、リカちゃんは文句なんて言わない。遠慮なく思いっきり吸って、少しずらした所にも同じように痕をつける。
鎖骨の下と上に2つずつ付け、上へと上がっていく唇をやっとリカちゃんが止めた。
「そこは見えるから駄目」
「……ケチ」
ちょっと上の方に付けようとしただけなのに、止められてモヤモヤする。
なにもど真ん中じゃなくて端っこの、ちょーっとだけ見えるところなのに。それなのにダメだって言われてしまった。
不貞腐れてリカちゃんの身体から離れ、布団に潜り込む。
ダメって言われた悔しさと、恥ずかしさが入り混じって目元まで布団をかけて背中を向けた。
「ウサギ、お前何かあった?」
「何かってなんだよ」
「急にデレたかと思えば痕付けたがるし…なんか変だろ」
何かあったかと聞かれれば何もない。ただ気に入らないだけだ。
リカちゃんが俺以外を相手にするなんて疑ってるわけじゃない。俺は自分がどれだけ好かれてるか、大事にされてるかもう知ってる…知ってるけど問題はそこじゃなくて。
それが欲張りだってわかってても、誰かがリカちゃんを好きになることさえ許せない。
外面だけ見て軽々しく好きとか言ってんじゃねぇよって思ってしまう。
けれど、それはリカちゃんに言っても仕方のないことだ。人が人を好きになるのを止める権利なんて誰にもない。
「別になんにもない。眠たくなってきたから寝る」
そんなこと言えるわけなくて、寝てしまおうとした俺をリカちゃんが後ろから抱きしめた。うなじにチュッと軽いキスを落とし、俺の首元に顔を埋める。
「週末はどこか連れて行ってやるから少しだけ我慢して」
そんなご機嫌取りなんかで俺はごまかされない。もちろん聞こえないふりだ。
「ほらこっち向けって。向かないとお仕置きすんぞバカウサギ」
脅されたって知らない。今日こそは絶対にリカちゃんに負けない。
リカちゃんが埋めていた顔を上げた。やっと諦めたか…って、この男がそんな簡単に納得するわけない。カプッと甘噛みされ、俺の身体が咄嗟に跳ねた。
「てめぇ…いきなり噛むなよ!」
噛まれたところを押さえて振り返る俺に、勝ち誇った顔をしてニヤニヤ笑っていたリカちゃんが近づいてくる。
楽しそうに歪んだ唇が触れる。
「おやすみのちゅーするって約束だったろ?」
「……だからっ!お前はそういうとこズルいんだよ!!」
「ほらほら慧君、ただいまとおかえりの分も残ってるから早く」
早くって言ったくせに自分から合わせてくるリカちゃんに俺もおとなしく従ってしまった。
『ただいまのちゅー』と『おかえりのキス』はなかなか終わらず、リカちゃんが満足するまで続いたそれに骨抜きにされて俺の1日がやっと終わった。
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