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「お願い慧君。消さないで」
俺の言葉にウサギの指が微かに震えた。
不器用だっていい。
誰に伝わらなくとも、これは慧が俺を縛りたいって思ってくれた証拠だ。慧の分身でもある、この個性的なウサギを消させはしない。
触れた唇から覗かせた舌をウサギの指に這わす。
見下ろしてくるその視線に上目遣いで微笑みかけた。
目元を染めたウサギの瞳が潤む。
もう数え切れないぐらい触れて、誰よりも長く、いつも一緒にいるのにまだ照れるなんて反則だ。
握ったままだった手を思い切り引くと体勢を崩したウサギが落ちてくる。それを身体で受け止め、今度は両腕でウサギの全身を抱きしめた。
「ありがとう。こんなに嬉しい首輪なら一生外したくない」
「一生って大げさ」
「本気なんだけどな。寝る時も付けていたいぐらい」
渡されたウサギなりの首輪の先には見えない鎖が繋がっていて、誰にも外せない、どんな鋭い刃でも切れない。
それはウサギの手と足と、身体全体に絡まってるんだって言ったらどんな顔するだろう。
首輪をつけられた方が縛られるのか…それともつけた方が縛られるのか。答えは、きっと両方だ。
重たいって、気持ち悪いって言われるかもしれないし笑われるかもしれない。けれど、どれだけ嫌がったって離しはしない。その気持ちを込めてウサギにキスを送る。
初めは触れるだけ…次第に濃く、甘く。ウサギが夢中になってきたら激しく。
力が抜けるまで続けると、もう準備は出来過ぎているぐらいだ。
されるがままのウサギの身体をソファに横たえた。
家のものよりも狭いそれは、男2人が寝転ぶにはあまりに窮屈すぎて、足は出るし身体を支えるのも一苦労だけれど…そんなのすぐ気にならなくなる。
ぼんやり俺を見上げるウサギの頬に顔を寄せる。
赤く熟れた林檎のように美味しそうなそれを下から上へと舐め、耳を食んだ。
ビクンと反応したのが可愛くて気分が高揚していく。
「俺も慧君にあげたいものがあるんだ」
この雰囲気でナニをするのかわかっているウサギの目が潤んだ。
けれど、俺はそんなに甘くはない。
「家出した挙句にこの俺の連絡を散々無視しやがったお仕置き……1時間かけて味わってもらうから」
目を見開いたウサギが、驚いた表情に変わる。俺の顔とネクタイを交互に見て何かを訴えているようだが、そんなことは関係ない。
俺を不安にさせ、寂しい思いをさせた3日分。ウサギさんにはきっちりその身体で払ってもらう。
「やっばぁ……時間がたっぷりあって良かったね、慧君」
そう簡単には許してやらない。
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