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まさかの台詞に俺は固まり、目の前の男を凝視した。
「兎丸んとこってデートとかどこ行くんだ?」
「デート……スーパーに買い物行ったりとか、あとはたまに飯行ったりとか」
「遊園地は?水族館とか映画は?」
「人の多い所って好きじゃないし、映画はDVD買うかレンタルする」
そもそも家から出たくない俺に合わせるのがリカちゃんだし、男2人でそういう所に行くのって変だと思うし。
もし俺が行きたいって言えばリカちゃんは間違いなく連れて行ってくれるだろうけど……俺がそれを言うわけない。
答えた俺に、そいつは自分のスマホの画面を見せた。そこには『倦怠期カップルの傾向』というのが載っている。
「ちょっとこれやってみて」
渡された診断を黙って答えていく。
そこに挙げられている項目は、外見の変化に気づかない、連絡は用件を伝えるだけのことが多い等、思い当たることばかりだ。
でも、それは仕方ない。リカちゃんはマジで歳をとってんのかってぐらい老けない。そして一緒に住んでるのだから
連絡は用件を伝えるだけが多い。
ほら、ちゃんと理由はある。
とりあえず当てはまる箇所にチェックを入れ、最後の質問へと移る。
最近エッチが減った……YES。悩むことなくそれを選び、全ての問いを終えた。
診断結果を待ち、現れた画面に俺は目を見開く。
スマホを俺から奪い取った男と、顔だけを突き出して画面を見た幸の口元が引き攣った。
『恋愛度10%以下、完全なる倦怠期!!冷めきった恋を取り戻すのは難しい…かも?!』
そう大きく書かれた文字が、画面を占めていた。
「兎丸……」
「ウサマル……」
2人の申し訳なさそうな顔が痛い。ここで違うと言ったところで信じてもらえるはずもなく、俺はその文字を眺める。
どの解答にも理由があって、冷めたわけじゃないけど。
しかしながら、ないけど……っていうのは俺の考えだ。
リカちゃんから用件以外の連絡が来ないのは事実だし、エッチの数が減ったのも本当のこと。
冷めたのだと言われればそんな気もしてくる……というか、そんな気しかしない。
だってあのドSで変態、でもって絶倫野郎がいくら俺が忙しいからって我慢するか?
今までなら俺が昼間に何しているかは、同じ学校にいたんだから知ってた。けど今は違う。
なんでリカちゃんは俺に連絡してこないんだろう。今何してんの?って聞いてこないんだろう……ぐるぐる考え、頭を抱えて色んなパターンを思い描いて、消して、でもやっぱり考えて。
はぁ、と深いため息をついたところで頭に温かい何かが乗る。
「ウサマル、俺が手伝ったるから安心し。今日からお前は脱、倦怠期や!!」
俺は幸に大きく頷いた。
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