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「ちょっとま、待って」
「無理」
息継ぎの隙に止めようとした俺を一言だけで制したリカちゃんは、服の中にあった手を下へ下へと滑らせた。その手がへその傍を通り、部屋着に履いていたスウェットのゴムにかかる。
耳に聞きたくない水音が入ってくる。簡単に触れることを許した俺のそれが出した音だ。
「慧君やっばぁ…もう濡れてる」
「やっ、やだって」
「そう言いながらも従順なところ、たまんないね」
いつの間にかキスは終わり、その代わりに耳元で囁かれる。自分でも自覚していることを改めて言われ、恥ずかしくて頬が熱くなった。
言葉を煽るかのように、リカちゃんの手は俺のそれを上下に擦る。その度に、くちゅくちゅと鳴る音は止まらず、どんどん大きくなっていくような気がする。
「やめろって……ん、ぁ、やめっ」
「なんで?」
「聞こえるから、声……っ、聞こえちゃう」
壁一枚を隔てた向こうにはリカちゃんのお父さんが居て、俺の声が聞こえているかもしれない。今は聞こえていなくても、抑えきれなくなった時にバレるかもしれない。
そう思うと心臓がバクバク鳴る。
「もう無理、それ以上はやめろ!」
小声で、けれどしっかりと意志をこめて、向かい合っているリカちゃんの身体を押す。けれど全くと言っていいほど動かない。
それどころか手の動きが早く強く変わる。
「は、あぁっ……あっ、あ」
「慧君、それ以上は聞こえちゃうと思うよ」
「やだ、やめて……んぁっ、やだやだ」
リカちゃんの手は的確に俺の弱いところを狙ってくる。
根元から登ってくる時は素早く、けれど括れの部分になったら力が強まりスピードは落ちる。先に近づけば近づくほど丁寧になる手付き。
まるで「お前を屈服させるのは簡単だ」と言われているみたいだ。
「あ、はっ……やだ、リカちゃん……っ声、出ちゃ」
快感に負けた身体はもう「やめて」とは言わない。今は早く出したい気持ちと、声のことしか考えられない。
「リカちゃん、声やだ……っん」
なんとか声を殺そうと俺が探り当てたのは枕だった。それを顔に押し当てるため必死に手繰り寄せる。
けれど、なぜか一向に近づいてこない。その理由はリカちゃんが俺が持つのとは反対側を掴んで邪魔していたから。
その枕をベッドの下に放り投げたリカちゃんが、はっきりとした声で言う。
「他の男の匂い嗅いでイクなんて許さない」
それどころじゃないのに、リカちゃんの独占欲を見せつけられちゃうとダメだった。
きっとリカちゃんには、俺がどうすれば喜ぶのか全部バレてる。そう思えるほどに、この言葉は俺の胸を騒がせた。
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