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獅子原が持ってきた料理はどれも美味い。
美味くて、それでいてなんだか懐かしい。
ロールキャベツにジャガイモとベーコンを炒めたヤツ。
いつも食べてるカップ麺とは全然違う。
「なぁ。これってドコの惣菜?」
「は?まぁ…強いて言えば、ビストロ獅子原」
ビストロ…獅子原?っつー事は、まさか。
「え、これ作ったのお前?」
「だからお前って言うなつってんだろ。
こんなん買うより作るほうが経済的だろうが」
うっわ意外…。
だってこんな見た目で料理出来るとか意外過ぎる。
「経済的って…こんな高級分譲マンションに越してきて言う言葉じゃねぇよ」
「35年ローンだ。高校教師ナメんな」
「ってかさ、分譲買うって事はもうすぐ結婚でもすんの?」
獅子原が何歳かは知らねぇけど、結婚予定も無いヤツがこんな高いマンションなんて買わないと思う。まぁ…別に獅子原の恋愛事情とか全く興味ねぇんだけど。
「結婚なんてしねぇ。他人のモン借りて金払うなんて馬鹿らしいだろ」
返ってきた答えは、それはそれは男らしい理由だった。
しかも、その理由が似合い過ぎてるから笑えねぇ。
「そんなことより俺も聞きたい事あんだけどさ、お前家事とかしてんの?キッチン使った形跡無いんだけど」
「掃除と洗濯しかしねぇ」
「んじゃ飯は?飯どうしてんの?」
俺は床に置いたままの袋を指差す。
そこには昨日買ってきた大量のカップ麺が中にぎっしり詰まっている。
「マジかよ…」
「別に食べれりゃ何でもいい」
「お前こんなんばっか食ってるのに肌綺麗とか女子の敵だな」
「綺麗とか言うな変態教師」
ニヤニヤしながら俺をからかう顔。
それが腹立ってテーブルの下で思い切り蹴り上げてやった。
「……マジで口悪いなお前」
「そういうお前もな」
俺の言葉に獅子原はため息をつき、その後何かを思いついたようにニヤリと笑った。
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