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「いつまで触ってんだよ」
「んー?髪ぐらいでケチケチすんなよ。あ、今日もお休みのちゅーする?」
「はぁ?!」
サラッとまるで意味不明な事を言った目の前の男を見た。
「バカな事言ってんじゃねぇよ。そんな冗談言ってねぇで早く寝ろよ」
「それなら冗談かどうか試してみるか?」
思いの外、真剣な目をしたリカちゃんに俺は内心ドキドキしてしまう。
するとフッと笑ったリカちゃんが、弄っていた髪の毛をグイッと引いた。
「痛っ…てぇ…テメェ何しやがる……!」
髪を無理に引っ張られる痛みに耐え、俺はリカちゃんを睨みつける。
2つの黒い瞳と目が合って…それが細待ったかと思ったら低く甘い囁きが落とされた。
「………生意気なクソウサギには特別指導してやるよ」
言った途端に重なる唇。
昨日のデコチューとは違う…本物の…キス?!
「…クソ野郎!マジ殺す!!!」
「お前ねぇ……キスした後にそんな事言われたの初めてなんだけど。
たかが触れただけで怒鳴ってんじゃねぇよ。クソガキ」
こいつマジ殴ってやりたい。
勝手にキスしといて悪びれもなく言いのけた後、もうこの話はお終いだとばかりにリカちゃんは俺に背を向ける。
このイライラした気持ちをどこにぶつけるでもなく悶々としたまま目を瞑った。
絶対に眠れるわけねぇ!そう思っていたはずなのに、この日も俺はあっさりと眠ってしまったのだった。
*
「起きろバカウサギ!」
月曜日の朝。
今日からまた学校が始まると思うと憂鬱で、もう少し夢の世界にいたいところ。
それなのに容赦なく俺を叩き起こす存在。
いわずもがな担任の先生だ。
「お前、その寝起きの悪さどうにかなんねぇの?」
呆れたように言うリカちゃんは既にスーツに着替えている。
俺を起こす前に家に戻って身支度をしたんだろう。
一体何時に起きたのか考えるのも面倒くさい。
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