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リカちゃんが巻いてたマフラーを外し、俺にそっと巻いてくれる。
ふんわりと香るリカちゃんの香水とタバコの匂い。
胸がキュンとして、身体が熱くなってしまう。
「すぐ着くけど一応巻いとけよ」
クルクルと巻き終え、形を整えてくれたリカちゃん。
マフラーに隠れてしたキスは一瞬だったけれど、すごく優しくて温かかった。
「学校出るまでは顔見えないようにしといて」
言われた通りマフラーに顔を埋める。
埋めながらクンクンと匂いを嗅ぐとか…
「変態。そんなに俺の匂い好き?」
言い当てられてドキッとしたけれど、
「……別に」
素直に言えない俺は弱虫だ。
「ンな赤い顔して説得力ねぇけどな」
「うっせぇバーカ」
「目は口ほどにものを言う…まさしくソレだな」
ふふっと笑ってリカちゃんが俺の頬を撫でる。やっぱり、リカちゃんには全部お見通しだ。
*
マンションに帰ってきて、車を駐車場に入れる。
初めて来た駐車場は薄暗くて静かで少し怖い。
「どう?」
「どうって……子供か」
一発で車を停めたリカちゃんがドヤ顔で見てくるのが可笑しくて思わず笑ってしまうと軽く睨まれた。
「可愛くねぇの。そんなヤツにはこうだ」
……ちゅ。軽く触れるだけのキス。
「あ、赤くなった。かーわいい」
不意打ちのキスは卑怯だ。
「なんか……今日のリカちゃん変だ」
「そうか?いい事あったからかもな」
クスクス笑いながら俺の前髪を弄って遊ぶリカちゃん。
運転席と助手席の間にある肘置きに片肘をつき、頬杖しながら見上げてくる。
「いい事?」
「そ。俺、顔と声がエロいんだって」
それは……まさか、朝の…………。
「エロいのは顔と声だけ?」
身を乗り出して耳元に口を寄せ囁く。
「なぁ…………俺の顔と声、好きなんだろ?素直に欲しいって言えよ」
答えようとしたのに何も言えなくなる。
口を開いた直後に俺の声は喉の奥に消えた。
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