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「どうしようもないほどお前が好きだよ」
安らかに眠るその顔を見つめ、そっと頬を撫でる。
いつまでも俺を求めてほしい。
いつまでも俺を追いかけていてほしい。
「……重症だな」
ほとんど吸わないうちに灰になったタバコを揉み消し、そっと隣に忍び込んだ。
「リカちゃ……」
「…起きたのか?」
起こしてしまったのかと見つめれば、ふんわり笑った慧が「…好き」と呟く。
寝言だとわかって、だらしなく頬が緩む。
「ふはっ……可愛すぎだろ」
起きていても寝ていても俺の心を掴んで離さない恋人。
無意識に擦り寄ってくる温もりを包み込み、そっと目を閉じた。
こいつの為なら俺はなんだって出来る。
誰かの為に生きることは俺にとって償いだった。
それが喜びに変わった今、もう見ることの無くなったあの日の夢。
自然と意識は微睡んでいった。
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